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ロードバイクの出先でのトラブル対応・ブレーキ編
暖かくなり走りに行く機会も増え、また走行距離も増えてくると、どうしても出先でのメカトラブルも増えてきます。普段は自転車のメンテナンスを行きつけのショップにお願い出来ても、出先では自分でトラブル対応しなくてはいけません。
そこで最低限覚えておきたい出先でのトラブル対応について、パーツごとにお話ししていきたいと思います。今回は、トラブルがあると命にもかかわるブレーキ編です。ロードレーサーなどに装着されているキャリパーブレーキのトラブル対応について書かせていただきます。
出先でよく起るトラブル・キャリパーブレーキ
走っている最中に起こるキャリパーブレーキのトラブルの代表例
- ブレーキのストローク(引きしろ)が合っていない
- 片効き
- ネジ(ボルト)類の緩み
それぞれの原因や対策について、説明していきます。
ブレーキのストロークが合わない
ブレーキのストロークが合わないと言うのは、ブレーキがかかるまでのストローク(引きしろ)が多すぎたり、少なすぎたりして合わないことを言います。
ストローク自体も個人の好みがあるので、絶対にこの位置と言うのはないですが、何かの原因でいつもとストロークが変わると、気持ちが悪く思ったりブレーキコントロールが狂って危ないです。
ブレーキワイヤーがしっかりネジで固定されているのにストロークが変わってしまうとしたら、ブレーキシューが減ったか、ホイールのリム幅がいつもと違うことが主な原因の可能性があります。
ブレーキシューは消耗品なので少しずつ減っていくが、雨の中を走ったりすると急激に減るので、次に乗る時に違和感を感じてしまうほど減ってしまうこともあります。
リム幅が違うと言うのは、いつもと違うホイールを履いた時に起こります。ホイールを変えたら、それに合わせてブレーキシューの位置調整を行うべきだが、それを忘れて走りに行ってしまうと途中で違和感に気付くことになります。
こんな時にはストロークの調整が必要になるが、出先で出来る調整方法は主に3つになります。
まず1つめは、ブレーキ上部についているアジャスターで調整すること。アジャスターボルトを上から見て反時計回りに回せば、ストロークが狭まくなります。 (短くなる)。
ブレーキシューが減るなどして、ブレーキがかかるまでのストロークが多過ぎる時はこうしましょう。逆に、アジャスターボルトを上から見て時計回りに回せば、ストロークが広がります (長くなる)。
いつもよりリム幅の広いホイールを履いていて、ストロークが短すぎる時はしょうしましょう。
また、シマノやSRAMのキャリパーブレーキにはクイックリリースレバーが付いています。
これは本来ホイール交換の際に、一時的にブレーキを開放するためのレバーですが、ストロークを広げる時に使うことが出来ます。レバーを倒せば狭まり、レバーを起こせば広がるので丁度いい所で調整できます。
※ただ、これらの対応では微調整しか出来ないので、もしストロークを大幅に修正する時はワイヤーの固定ボルトを緩め、ワイヤーを張り直して調整しましょう。
片効き調整について

ブレーキシューが左右どちらかに偏っていると、ブレーキも片方しかかからない、片効きの状態になリます。
ブレーキの片効きとはトーインが左右でずれてしまう(センターがずれる)ことを言います。
ホイールに少しでも振れが出ていると、ブレーキを掛けた時に片側だけ(一カ所だけ)ブレーキが効く部分が発生したり、ダンシングで自転車を振った時にリムとブレーキシューが接触してしまうので、違和感を感じたら早めに対処しましょう。

ブレーキ本体上部のネジで左右の微調整ができます。
片効きの調整はまず、ブレーキの裏側にブレーキを固定しているボルトが有るので、5mmアーレンキーで緩めて、トーインを見ながら調整し、正しい位置でネジを締めて固定します。
さらに微調整が必要な場合は、モデルにより場所が多少変わりますが、ブレーキを上から見た時に見える小さいボルトで、左右の微調整が出来ます。
- ブレーキのストローク(引きしろ)が合っていない
- 片効き
- ネジ(ボルト)類の緩みの3つだと思います。
ネジ類の緩み・この3カ所は緩んでないか常に気を付けましょう。
1つのキャリパーブレーキにはたくさんのネジが使用されていますが、その中でも特に緩みやすいネジ、揺るむと危険なネジが3つあります。
どれも比較的いじる機会が多いネジなので、締めっ放しネジに比べて、どうしても緩んでしまいがちなので、常に気を付けたい箇所です。ブレーキワイヤーを固定しているネジは左側側面に付いていいます。
ブレーキ本体を固定しているネジ

ブレーキ本体を固定しているネジはちょうど真裏にある。
片効き調整で触れたネジです。
これが緩んでいると、片効きはもちろん、ブレーキを掛けた時のバイブレーションや、最悪の場合ブレーキの脱落にも繋がります。これの締め方は5mmアーレンキーで時計回りに回せばOKです。
ブレーキシューを固定しているネジ
もう1つはブレーキシューを固定しているネジ。
カーボンリムを履いた時などにブレーキシューを交換する際によく触るネジです。ブレーキシューは固定時に、高さや水平方向の角度調整の他に、リムの当たり面の調整など3Dでの調整が必要なので、ネジを締める際は少々難易度が高いのですが、軽くブレーキをかけて、ブレーキシューをリムに当てながら行えばスムーズに調整できます。
ブレーキシューはこのネジ1本で留まっています。
当たり面の調整など3Dでの角度調整が必要なので、セッティング時には注意しよう。
これらが走行中によく起こるブレーキ系統のトラブルです。あまり自転車をメンテナンスしない人も、もしもの時に備えて、これだけは対処法を覚えておきましょう。