インタビュー|NIPPOヴィーニファンティーニ中根英登選手(後編)

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日本屈指のクライマー中根英登選手(NIPPOヴィーニファンティーニ)の2017年シーズンを振り返る(後編)

 

前編では主に2017年全般と思い出深かったツールド北海道のレースを中心に振り返りました。後編では、NIPPOへの派遣についてや、チームメイトのことなどについてのインタビューを紹介します。

 

―2017年シーズンは3年開在籍したAISANレーシングからNIPPOヴィーニファンティーニに派遣されたわけですが、どんな気持ちだったでしょうか。

そろそろ、もっと厳しい世界に出ていかなくてはという想いが強かった。AISANでは非常にいい環境で活動させてもらい、僕はそれに甘えてしまい年々ハングリー精神が薄れてしまって弱くなっている気がして。実は、AISANに入った1年目が一番強かったんです。

 

 

―チームの移籍は自分で申し出たということでしょうか。

自分から行動しないとだめだと思いました。ハングリー精神が生まれる環境に行くしかないと、賭けに出ました。大門監督(※NIPPOヴィーニファンティーニの日本人監督のひとり)に話をしに行き、来日していたGMのフランチェスコにも自分でアプローチをしました。2016年のツアー・オブ・ジャパン、全日本選手権で良い結果を出してアピールしたかったんですが、全然だめで。

そんな中、「JAPANプロサイクリング」プロジェクト(※日本自転車競技連盟承認の新しい選手強化プロジェクト)の話があり、NIPPOとAISANがそれに協力することになったおかげで、チームが自分を送り出してくれたんです。

 

 

―チャンスを自ら掴んだということですね。

自分の実力だけでNIPPOへ入ることが出来たとは思っていないです。プロコンチネンタルチームに入るということはものすごく難しいことなんです。どんなに日本で頑張っていてもそんなに簡単には入れない。だから、自分に話があった時には即答しました。東京オリンピックに向けて日本人選手を強くしようという共通の目標でチーム間が協力することになった、AISANに対してもNIPPOに対しても感謝しかないです。あと、日本で家庭を守ってくれて、自分を送り出してくれた妻に対しても頭が上がらないです。

 

笑顔でインタビューに答えてくれる中根選手(photoby m.shimizu)

 

―中根さんは一度NIPPO(※当時はチームNIPPO)に所属していたことがありますよね。

大学生の時に1年、卒業して1年在籍していました。前回所属してた時と比べてチームのカテゴリーもコンチネンタルチームからプロコンチネンタルチームに上がり、全然レベルが違います。出場するレースもハイレベルなものばかりで環境も全く違いますね。

 

 

―NIPPOのチームの雰囲気はどんな感じですか。

みんな陽気でずっと喋ってます。特に、ツアー・オブ・ジャパンとジャパンカップで来日した、サンティーノ(イヴァン・サンタロミータ)、カノラ(マルコ・カノラ)、マランガ(アラン・マランゴーニ)はそうですね。チーム全体が日本人を受けれようとしている雰囲気があります。カノラはめちゃくちゃ強いだけでなく、日本人選手のことを常に気にかけて輪に入れてくれようとしますし、サンティーノとマランガにはよくいじられてますね。

また、僕は登りに絶対的な自信がありましたが、今のチームには僕と同じ脚質のクライマーがたくさんいて、いろいろ教えてもらいながら競い合って刺激を受けています。

 

 

―中根さんのファンから「マランゴーニ選手とその彼女と一緒にいることがよくあるようですが、いろいろ教えてもらっているんですか?」という質問が来ていますが。

僕はマランガのおもちゃです。というのは冗談で、僕をずっと応援してくれているホテルのオーナーがいて、イタリアに滞在する時にいつもそのホテルにお世話になっているのですが、マランゴーニの住まいが偶然その近くで。チームの顔合わせの時もホテルで同室だったこともあり、余計に気にかけてくれてますね。今シーズンはすごく助けてもらいました。日本語もすごい勢いで覚えてますよ。

 

ジャパンカップ2017のチームプレゼンテーションにて。ジャパンカップ限定のプレミアムなジャージで登場(photoby m.shimizu)

 

―そんなチームワークの良さが、カノラのジャパンカップ史上初クリテリウムとロードレースのダブル優勝にも繋がったのでしょうか。また、今回のジャパンカップに限らずですが、日本人選手やチームスタッフが生き生きとしているように見えますし、レース中ものびのびと走り、アシストしていても楽しんでいるように見えるのですが。

僕はジャパンカップはカノラが勝つと思ってました。シーズンを通してめちゃくちゃ強かったですからね。生き生きと楽しんで走る・・・それは妻にも同じことを言われました。

 

地元愛知で開催されたスポンサー冠のシクロクロスの大会にでゲスト参加。元チームメイトのAISANレーシング小森選手とのバトルも見ものでした(photoby rayworks)

 

―中根選手は今年地元にファンクラブも出来ましたし、ファンイベントも開催されましたよね。

以前から僕を応援してくれている、BucyoCoffeeさんやカトーサイクルさん等の協力で開催することが出来ました。AISANに所属していた時に、コーチ(※日本体育協会・日本自転車競技連盟公認コーチ。スポーツ指導者を養成事業の一環。)の資格を取ったこともあり、自分のためにもなるのでファンクラブイベントは重要だと思っています。自転車選手を知ってもらうこと、また地元の中高生たちがイベントを通じて「プロの自転車選手っていいな」と思ってもらうキッカケになればと。

 

 

―最後にファンへの一言をお願いします。

2017年シーズンも応援ありがとうございました。来シーズンは海外でも国内でもかまいません、ぜひレース会場へ足を運んで、僕たちの応援に来てください。

 

中根選手の見つめる先には2018年シーズンが(photoby m.shimizu)

 

2017年シーズンはとにかく結果を出してやるという気持ちだったという中根選手。今までに経験がないほどに追い込まれ、限界突破することで新たな自分を見つけ、最低限の目標だったUCIポイントの獲得でチームの期待にも応えることが出来た1年だったと振り返ります。

 

来シーズンは新たに3名の日本人選手が加わり、その中でも自分と同じ脚質である初山翔選手(ブリヂストンアンカーからの移籍)は特に意識しているそうです。「初山選手は2016年に全日本チャンピオンになり、今年のツアー・オブ・ジャパンでは山岳賞獲得と実績を残し、とても強い選手だと認識しています。そんな日本人選手がチームメイトになることで、来シーズンはさらに強い自分が引き出されるんじゃないかな。」と笑顔で語る中根選手。来シーズンも中根英登選手、そしてNIPPOヴィーニファンティーニから目が離せません。

 

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