インタビュー|NIPPOヴィーニファンティーニ中根英登選手(前編)

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日本屈指のクライマー中根英登選手(NIPPOヴィーニファンティーニ)と2017年シーズンを振り返る(前編)

ジャパンカップ2017クリテリウムにてファンの声援に答える中根選手(Photoby rayworks)

中根英登(なかね ひでと)

所属チーム NIPPOヴィーニファンティーニ

生年月日  1990年5月2日

脚質    クライマー

 

2017年シーズンは、伊藤雅和選手と共にAISANレーシングチームからイタリア籍のNIPPOヴィーニファンティーニに派遣され、益々活躍の場を広げてる中根英登選手。AISANレーシング時代から知っている私から見ると、この1年でグッとたくましくなった印象が強く、この1年でどんなことがあったのか話を聞いてみたくなりました。今回はシーズンオフ前の忙しい合間を縫ってインタビューに答えていただきました。

 

チームの情報誌「#GRINTARE」の自身の特集記事を見ながら振り返る(photoby m.shimizu)

 

-いよいよシーズンが終わりますが、今シーズンを振り返ってどうですか?

今は早かったって思いますけど、出場するレースも多くて(その最中)は、長いかなって思っていました。2月にイタリアでのライグエリア(トロフェオ・ライグエリア)で開幕し、4月のタイ(ツアー・オブ・タイランド2.1)まで、中3、4日でレースでした。しかも、ワールドツアーを挟んでいましたし。

 

 

-選手によっては、レースがある程度続いたほうが、調子がよいという場合もあるようですが、中根選手の場合はいかがですか?

僕は、レースの間隔は適度に開いていたほうが調子いいですね。タイでのレースの時は、人生で一番カラダが辛く、疲労感が半端なかった。全然踏めなくて、自転車に乗るのもつらい状況でした。

だけど、そこで自分の限界値を超えるくらい、もうこれ以上力が出ませんというくらい追い込んだおかげで、一皮むけたというか、一段と強くなったように感じました。

 

 

-それを強く感じたのは具体的に言うと?

次のアゼルバイジャン(ツアー・オブ・アゼルバイジャン2.1 ※中根選手は個人総合9位で自身初のUCIヨーロッパポイントを獲得)で感じました。限界突破した。大きく自分が変わったかな。だからこそ、そのあとのチンハイレイク(ツアー・オブ・チンハイレイク2.HC)は悔しかった。ただ、チンハイレイクの落車の影響で北欧でのレースをパスしたので、結果的にはツール・ド・北海道以降は調子が良かった。

 

ツール・ド・北海道で函館山山頂からの素晴らしい景色をバックに、表彰式を待っている西園選手(ブリヂストンアンカー)と中根選手(photoby m.shimizu)

 

-ツール・ド・北海道のレースと言えば、最終ステージの函館山が印象的でしたね。

あれは、やっちゃったな。調子良すぎて、ちょっと無茶やりすぎました。

 

 

-戦闘スイッチが入ってしまったということでしょうか?

勝てると思ってました。チーム全員が調子よくて。本当は落ち着いていかないといけなかったんですけど、熱くなってしまって。無謀にも全部アタック潰しにかかって。デネグリ(ピエールパオロ・デネグリ)を勝たせなきゃと思いながら集団をひきつつも、自分で勝負に行くのか、デネグリを勝たせるにしてもペースを考えないといけないとか。

 

 

-それをあの場面で瞬間的に考えるのですか?

考えなきゃいけなかったですね。最初にガルシア(KINANサイクリングチームのマルコス・ガルシア選手)のアタックに反応したのが敗因です。あの場面では、2㎞かけて時間をかけて追い詰めるべきだった。チームのみんなが勝てそうな脚があったから、迷ったところもあった。あれは勿体ないレースの仕方になっちゃいました。

 

 

-それがゴール後の悔し涙に表れてましたね。

あそこまで自分の調子を合せられるレースは1年に何回も無いので悔しかったですね。ただ、今年は限界突破した後は、ずっと調子が良かったのが救いでした。

 

 

-中根さんはスイッチが入ってしまうことが多いですか?

そうですね。毎回良いほうに転べばいいんですけどね。今、自分が一番改善しないといけないところだと思ってます。

 

ツール・ド・ランカウイで獲得した、アジアンリーダージャージを手に(photoby m.shimizu)

 

-ツール・ド・北海道に話題が飛んでしまいましたが、ツール・ド・ランカウイでの自身のアジアンリーダー獲得、ツアー・オブ・ジャパンでのチームのエース、マルコ・カノラ選手の区間3勝への貢献などもありましたね。

ツアー・オブ・ジャパンは今までで一番楽に走れました。特に南信州ステージのカノラの勝利は嬉しかったですね。自分が勝ったみたいに手をあげちゃって。あんなの初めてですよ。

 

 

-エースのために満足のいく仕事が出来たということでしょうか。

100パーセント満足いく仕事が出来ましたね。のぼりでのアタックを全部潰して、残り1㎞は「カノラさんお願いします!!!」という気持ちでした。

 

 

-ツアー・オブ・ジャパンでは他にもエピソードはありますか?

いなべステージで、とある男性の方の声援が気になってましたね。毎周回「ナカネーーーーっ!!!」っていうゴツイ感じの声が聞こえてきて。もしかしたら初めて自転車のレースを観戦に来られた方だったのかもしれないんですが、ゴール後にチームの所に来られて「お疲れさん!!俺も名字がナカネなんだけど、すげえ応援したくなちゃってさ!明日からも頑張って!!!」と。なかなかパンチがありましたね。

 

ツアー・オブ・ジャパンを走る中根選手(photoby m.shimizu)

 

中根選手、実は男性にも大人気です。がむしゃらに頑張る姿と人懐っこさが幅広いファンの心を掴んでいるのかもしれません。後編は、そんな中根選手がNIPPOヴィーニファンティーニへの移籍(※AISANレーシングでの位置づけは派遣という扱い)を決めた時の気持ちや、チームのエース、マルコ・カノラ選手が史上初の完全優勝を果たしたジャパンカップのことについてなどのインタビューを紹介します。

 

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