プロショップによるFUJI FEATHER(フジフェザー)の組み立てについてご紹介
ピストバイクでは安定して人気の高いFUJI FEATHER。
せっかく完成度の高い車体にも関わらす、量販、ネット安売り販売店でも簡単に安く購入できる為か、粗悪で無責任な組立をされているのを見かけます。
今回はGeek Garageが永く、安全、快適に乗ってもらう為に、ユーザー様に届けるまでにどのような作業をしているか見ていただきます。
まず、メーカーで80%程組み付けが終わり、頑丈に梱包されて届きます。
全部一から組み直しという訳には行きませんが、手直しする部分を分解します。

手直しする部品を分解
昨今の完成車はある程度満足できる程の組立はできていますが、雨、湿気の多い日本の天候の中で安心して使用するには少し手作業を入れて組み付けします。
手作業では、粘度の違うグリース、オイルを使用する事で自転車の大敵であるサビ、異種類金属の固着を防ぎ、組立作業を確実に、メンテナンスの作業性も良くすることができます。
組み付け、調整の信頼できるグレードの高い工場で組み付けられた完成車といえどもこのような手作業は省かれています。
以下の作業内容はユーザーの皆さんのメンテナンスや部品交換などにも応用できるので参考にしてください。
プロの技術による組み立てを解説
自転車の回転中枢であるBB(ボトムブラケット)が収まるハンガー部分はフレームの全てのパイプを繋ぐ部分であり、雨水等は入りやすくサビが発生しやすい部分です。

こちらがBB
尚、ネジの締め付けに大きいトルクがかかるので高粘度のグリースをたっぷり塗りつけ、BBの回転を確認しつつ締め付けます。

BBのグリースをたっぷり塗ります

フレームに取り付けます

BBアクスル
BBアクスル、アクスルボルトも高トルクのかかる部分です。たっぷりと高粘度のグリースを付けてネジを締め付けます。

アクスルボルトにも

手で押し広げて歪みを確認
タイヤの中を見てチューブの挟まり、リムテープの歪みなどがないか確認します。
ハブアクスルも高トルクで頻繁に締め付けられサビやすい部分なので高粘度グリースを塗ります。
フリーギヤとハブが固着せず確実に締め付け、緩めができるように高粘度のグリースをたっぷり塗ります。
意外とトラブルの多いハブナット。
ローターワッシャとナットの間にオイルを注します。作業性を良くしてサビも防ぎます。
シートカラーはシートチューブの当たり面にグリースを塗ります。
こんな僅か10ミリにも満たない帯で乗り手の体重を支えています。これでカラーに均等に力がかかります。

コラムも調整
コラムにも防錆目的でグリスをたっぷりと塗りつけ、スムーズかつダイレクトにヘッド小物調整をします。
ブレーキキャリパーも取り付け前にピボット、スプリング、リリースレバー等にオイルを差します。
ハンドルポストの挿入部分にもこのようにたっぷりと高粘度のグリスを塗ります。(シートポストも同様)
♀側にも指で届く範囲にたっぷりぬります。塗りすぎてはみ出した物は拭き取るつもりで)
たっぷりとグリスを塗ることで、雨、汗の侵入による金属固着がないようにします。
いざという時になかなか回ってくれないブレーキキャリパー、レバーのアジャスター。
新車時は良いのですが実際に使う時には作業性が悪いので粘度の低いグリスを塗ります。
アウターワイヤーにオイルを吹き込む方法もありますが、超低粘度のグリスをインナーワイヤー、太鼓に塗ります。
プロ目線の組み立てに関する意見
ちょっとした気遣いをして組み付け完了しました。
グリス、オイル、しかしこれらと自転車は切っても切れない物です。ネジが絞められ、金属同士が摩擦し、圧力もかかる。鉄は空気に触れた瞬間から錆びていきます。これらの問題がちょっとした気遣いで防ぐことができます。
諸外国でのメーカーの組立てには限界があります。それをカバーするのがプロショップのサービスであって、発売早々の完成車を値引きしている販売店はこれらプロショップがするべきことをしていません。ちょっとくらい値引きしてもらっても後々の事を考えるとどうなんでしょう?
完成車購入を検討中の方は参考にしてください。整備難民にならぬように。